フリー素材を使っていたら「著作権を侵害している」との警告を受けました。
「フリー素材」なので問題ないと思うのですが、どう対応すれば良いでしょうか?
「フリー素材」なので問題ない、と考えることはやめましょう
「フリー素材」をネットで検索してヒットした画像について、無料で自由に利用可能と誤解するとトラブルに巻き込まれかねません。
警告が届いたときの対応のポイント
慌てずに警告書の内容を確認しましょう。
まずは、画像の利用が入手先の利用規約等に違反していないか、実際の利用態様を確認しましょう。
警告書に回答期限が記載されていて、期限までに対応方針が決まらない場合は、いつまでに回答するかを伝えましょう。内容次第ですが、期限までに回答もせず放置することは控えたほうがよいケースが多いでしょう。
規約違反や権利侵害の可能性が高いと思われる場合、画像の利用停止・削除等を行うべきです。
権利者は、画像の利用停止・削除を要求するのみならず、利用料の支払を求める可能性が高く、規約に違反した利用態様ゆえに高額な金額を請求する可能性もあります。場合によっては、理不尽と思われる要求をされる可能性も否定できません。
できれば弁護士に早めに相談しながら、対応していくべきです。
おわりに
ネットで「フリー素材」と検索して出てきた画像について、権利を侵害せずに利用したいときは、「フリー素材」に関する利用規約等をよく読むことです。利用規約には、『商用利用については有償』『無償で利用できる点数に制限あり』『無償利用には著作者名やサイト名の表記は必須』といった記載があることもあります。
規約等を読んでもわからない場合、利用することは避けましょう。裁判においては、「写真素材をフリーサイトから入手したものだとしても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきなのは著作権等を侵害する可能性がある以上当然であり、警告を受けて削除しただけで直ちに責任を免れると解すべき理由もない」と判断されたケースもあります(東京地判平成27年4月15日平成26(ワ)24391)。
新入社員教育や定期研修の中に著作権に関する内容を組み込み、マニュアル等も整備し、現場の理解を深め、トラブルが起きないよう留意すべきです。
そして、できれば、困った場合はすぐに弁護士に相談できる体制(顧問契約等)を整えておくことが、現場の担当者も安心できるので望ましいでしょう。
※この記事は、2024年2月22日に作成されました。