不祥事を防ぐために中小企業ができることを教えてください。
目次
不祥事リスクの把握:企業をとりまく様々な不祥事リスク
会計不正や横領等の問題、残業(長時間労働)・残業代未払いやパワハラ・セクハラ・マタハラ等の労務問題、個人情報・企業秘密の情報漏洩等の問題、行政への届出・登録の問題、産業廃棄物の排出や環境汚染等の問題、海外進出の際の賄賂や海外拠点の不正の問題…等々、企業には様々な不祥事リスクがあります(本稿で論じきれないほどの不祥事の実例があります)。
リスク管理も含め、すべてを社長が自分一人で行うのは、現実的ではありません。
リスク管理の方法:ハード面とソフト面
ハード面
必要に応じた権限移譲・分掌と、相応の体制・組織作り(見直しを含む)が考えられます。
また、権限を移譲・分掌する際、情報漏洩の防止の措置も含め複数人によるチェックが可能な体制を作ること、併せて規程の整備・策定をやるべきです。
ソフト面
体制や規程を整えてもなお不祥事が起こるリスクはあると言わざるを得ません。また、もし不祥事が起こった場合、早期発見して大事に至らないように対応できるかどうかも、会社にとって大変重要な点です。
この点、最終的に、働く人達一人一人の意識、倫理観・責任感が分かれ目になってきますので、コンプライアンス教育・研修の実施は必須です。また、1回実施すればよいというものではなく、継続的に実施して浸透を徹底するべきです。
もう一点、忘れてならない重要なことは、いわゆる「報・連・相」です。職場の問題は、隠さずに、早く報告・連絡・相談する…これは、業務遂行の観点からだけではなく、不祥事防止の観点から、是非やるべきことであり、元より日々できることです。
実状に応じた技術的アウトソース:専門家の活用・学習支援サービスの利用
ご質問者の企業に限らず、規模・人的リソースの関係上、法務等の専門的な部門の体制作りが難しい企業が多いのが実状です。社長自ら規程の策定や教育・研修の実施等をするのではなく、必要に応じて専門家に相談・依頼しアウトソースすることが合理的経営といえます。本Q&Aの掲載元提供のオンライン法務学習支援サービスを利用するのも一案です。
まとめ
不祥事リスクは常に様々有るという前提で、また、「職場の問題は隠さない」企業風土づくりには企業のトップの意識と社内共有が不可欠であるということに留意して、不祥事防止の観点から、できることや、やるべきことを、日々継続し続ける(適宜アウトソースもして)のが肝要です。
※この記事は、2024年3月8日に作成されました。