TOPQ&A記事NPOとコラボするうえでの注意点を知りたいです。
SHARE

NPOとコラボするうえでの注意点を知りたいです。

会社の社会貢献活動の一環として、今後NPOとコラボをしたいと考えています。NPOとパートナーシップを組むうえで、どのような点に気を付けて進めるべきでしょうか。
まずはコラボの相手方となるNPOの法人格の有無や実態を把握しましょう。法人格を有するNPOとの取引においては、その法人格の特性について一定の理解をしておくこと、法人格を有しないNPOとの取引においては、契約等を誰と締結するかを慎重に検討することが重要です。
また、自社の従業員を会社の社会貢献活動に参加させる場合には、労働法上の問題を生じることのないように注意する必要があります。

回答者
瀧口 徹 弁護士
牛込橋法律事務所

NPOとの取引における留意点

企業とNPOの取引を法務の観点からみたとき、多くの点は通常の企業間取引と共通しますが、NPOの特徴や活動の特色を踏まえて留意が必要な点もあります。

NPOの性質・実態の把握

NPO(Non-Profit Organization)は、継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称です。そのため「NPO」には、法人格を有する団体特定非営利活動法人(NPO法人)公益社団法人公益財団法人など)だけでなく、法人格を有しない任意団体ボランティアサークルなど)も含まれます。

NPOとの連携・コラボレーションを検討する場合、当該NPOが法人格を有するか否か法人格を有する場合にはどのような性質の法人であるかを把握する必要があります。

任意団体との連携を考える場合、任意団体は契約や権利義務の主体となれないのが通常ですので、契約関係をどのように整理するか(例:団体の代表者との契約とするか・問題が生じた場合の責任の所在をどのように明確化するか等)を検討する必要があります。

また、法人格があるNPOと連携をする場合、その法人の法的性質を把握しておくことが有益です。例えば、特定非営利活動法人(NPO法人)は、「特定非営利活動」を主たる目的とする法人であり(特定非営利活動促進法第2条第2項)、定款に記載のない新たな取り組みをする際には定款変更のために所轄庁の認証が必要となるなど、株式会社とは異なる点があります。なお、NPO法人は会計や事業に関し一定の情報公開が法律上義務付けられているため、連携を開始する前にNPOのホームページや内閣府のポータルサイトなどで、活動の規模や内容を把握することができます。

自社の従業員との関係

NPOとの連携の一形態として、NPOの行う活動に自社の従業員をボランティアとして参加させるケースがよくみられます。この場合、従業員によるボランティア活動が、会社の業務として行われるものなのか、あくまでも従業員の任意の参加による業務外の活動なのかは、厳密に区別する必要があります。

特に後者(業務外のプライベートな活動)として整理する場合においては、会社は、ボランティア活動について参加を強制しないようにするとともに、実際のボランティア活動の際にも業務上の上下関係を前提としたような指揮命令関係が生じないよう配慮する必要があります。業務外の活動として整理したにもかかわらず、実質的には会社に対する労務提供であると判断されますと、労働法上の諸問題(時間外労働等の問題)を生じることとなりますので注意が必要です。

おわりに

近時、企業による社会貢献活動・地域貢献活動について、社会全体の関心が高まっています。企業とNPOとの連携のあり方も、寄付や従業員によるボランティア参加といったものだけでなく、イベントの共催、事業を通じた協働など、多様化しています。

連携を有意義で持続可能なものとするためにも、特にスタート段階で、本稿で触れた観点も含め、法的な論点を把握・整理しておくことが重要です。

この記事は、2023年11月9日に作成されました。

関連Q&A

店舗を居抜きで借りる際の注意点を教えてください。
店舗の借主から造作・設備を買い取って、居抜きでその店舗を借りようと思っているのですが、どういう点に注意したら良いでしょうか?
SNSやピッチイベントで投資を呼びかけても良いのでしょうか?
SNSやピッチイベントで自社に投資するよう呼びかけようと思うのですが、何か法的に問題があるでしょうか?
高額な原状回復費用を請求されたのですが、どう対応したら良いでしょうか?
先日オフィス移転をしたのですが、退去後に、元大家から高額な原状回復費用を請求されています。支払わなければならないのでしょうか?また、何とかして減額できないでしょうか?
エンジェル投資家が出資金の返還を求めてきた場合の対応を教えてください。
エンジェル投資家から、出資金を返してほしいとの申し出がありました。どう対応したら良いでしょうか?
非公開会社で「株式を譲り受けた」という人が現れた際の対応を知りたいです。
弊社の株式には譲渡制限が付いています。先日、ある株主から株式を譲り受けたという者が現れ「譲渡を承認してほしい。それが嫌なら買い取ってほしい。」との請求を受けました。譲受人を株主とは認めたくないのですが、他方で譲渡人を株主のままにするのも良くない気がします。どうすればよいでしょうか?