輸入の際に通関業者から質問がきたのですが、適当に答えてしまいました。
貨物の金額や品番といった輸入申告に関する情報は正確に通関業者に対して伝えるようご注意ください。
輸入申告方法の社会的背景
日本に貨物を輸入する場合、輸入する貨物の内容について税関が一から調べることは通常は行われず、原則として、輸入者が申告する情報を前提に輸入許可が出されます。
また、輸入者が輸入時に支払うべき関税や消費税についても、いわゆる申告納税方式が採用されているため、輸入者が申告する情報を前提に納付すべき税額が決まります。
日本は貿易大国であり、一つ一つの貨物の内容を税関が確認することは不可能であることから、輸入者の自主性に依存するこのような仕組みが取られています。通関業者に関しても、輸入通関手続を輸入者の代理として行う存在ですので、輸入者が伝えた情報の真偽を確認することは通常はありません。
輸入時に申告すべき具体的な内容
貨物を輸入する場合に輸入者が税関に対して申告すべき内容は、主に以下のように、関税法等で具体的に規定されています。
② 貨物の原産地及び積出地並びに仕出人の住所及び氏名
③ 貨物を積んでいた船舶又は航空機の名称(登録記号)
④ 貨物の蔵置場所
輸入する貨物の種類によっては特別な情報の申告を求められる場合もあります。
輸入者が把握していない情報がある場合には、輸出者側に確認する等の方法で正確な情報を取得する必要があります。
輸入事後調査
輸入者は、輸入時に貨物の品番や金額等に応じて、一定額の関税や消費税を支払う必要があります。ただし、上記のとおり申告納税方式が採用されているため、輸入者の納税額が適切であるかどうかについては輸入時に確認が行われません。
しかしながら、実際問題としてこのような仕組みを悪用して、意図的に納税額を低くするために虚偽の申告を行う輸入者が存在します。このような存在を放置すると、税の公平な支払いや公平なビジネス上の競争環境を阻害するため、税関は定期的に輸入者に対して事後的に輸入申告内容が適切であるかどうかの調査を実施します。この調査のことを輸入事後調査といいます。
間違った輸入申告を行ってしまった場合の対応のポイント
間違った輸入申告を行ってしまった場合には、混乱してすぐに税関に連絡を取ろうとしがちですが、具体的な対応の前に冷静に以下の手順を踏む必要があります。
②間違った輸入申告を行った理由を確認し、間違いが発覚した申告以外に間違った申告が存在しないかどうかを確認する。
③①及び②を踏まえて、輸入申告を依頼した通関業者に対して連絡を取り、修正申告を含む適切な対応を相談する。
※この記事は、2024年3月18日に作成されました。